
活用事例1
「スポーツ情報管理サービスはスポーツ界全体を支える存在になる」 日本フライングディスク協会齋藤理事が語る利便性と、競技団体の持続可能性への影響

スポーツ情報管理サービスは、実際にスポーツの現場でどのように利用され、競技団体の課題を解決しているのか。今回は、一般社団法人日本フライングディスク協会で業務執行理事(管理本部長)を務める齋藤勇太氏にお話を伺った。
日本フライングディスク協会がスポーツ情報管理サービスを導入したのは、2019年の4月だ。会員が急速に増え、手作業での管理が難しくなりつつあったタイミングで、スポーツ情報管理サービスを導入した。
当時は立ち上がったばかりのサービスではあったものの、「機能開発のタイミングや資本力の部分で、当時はDNPさんにしか実現できないだろうと考え、この期を逃すべきではない、スポーツ界にこのシステムをまず存在させることが必要だと判断して導入を決めました」と齋藤氏は語る。初期費用と若干の運用費のみで稼働できることも、導入を後押しした。
管理コストから普及コストへ、スポーツ情報管理サービスがスポーツの根底を支える

スポーツ情報管理サービスが協会運営に大きく寄与したのが、お金と時間のコスト削減だ。「数名の事務局員が幅広い業務を担当しており、年会費の管理には年間100万円ほどかけ、手作業で集計をしていましたが、今はほぼ0円になりました。入金の計算があっているか…と再度計算し直しする必要もなくなって、他に使える時間が増えました。大会エントリー状況の管理も簡単にできています」。
日本フライングディスク協会は年会費を会員から毎年集めている。スポーツ情報管理サービス導入前は、集めた年会費を実質的に会員情報管理コストに充てざるをえなかった。しかし導入後は年会費の多くを、協会として本来取り組むべき競技普及コストとして使用できるようになったという。競技団体の作業効率化だけでなく、競技団体があるべき姿を体現することにも、スポーツ情報管理サービスは大いに貢献している。
業務の効率化は、協会に関わる人々の心理的・身体的ストレスも軽減する。「『取り組みたい活動は思い浮かぶが、まずは管理業務に時間を費やさないといけない』といった心理的ストレスが減ったことが大きな変化だと思います。また、共通のシステムを利用することで、都道府県協会や加盟団体の皆様とのコミュニケーションや情報共有の機会が増えました。これは”日本協会”の立場として大切なことです。さらに、支払履歴が電子的に残るので、ガバナンスの観点としても、各団体関係者の心理的・身体的負担も減ったと感じています」と話す。
かつては郵便振込だけだった支払い方法が、スポーツ情報管理サービス導入によってクレジット決済やコンビニ払いが可能になり、キャッシュレス化が進んでいる。競技団体の作業負担軽減にも貢献しているが、同時に大会参加者が参加費を収めやすくなり、参加者のエントリー時の作業負担軽減にもつながっている。これにより、大会参加を検討する団体が支払いやエントリーの手間により参加を見送るようなネガティブな事例はおそらくほぼなくなるだろう。スポーツのDX化は競技団体だけのものではない。競技者がより競技に集中できるような環境も作り出し、競技に関わるすべての人々に影響を与えている。
スポーツ情報管理サービスが作り出すスポーツの新たな”当たり前” 齋藤氏が思い描くスポーツ界の未来像

スポーツ情報管理サービスは、現場の直接的な課題だけでなく、競技の未来も担う。それを齋藤氏は肌で感じている。「”管理業務に使う時間”が減ったので、関連団体や会員の皆様とのコミュニケーションにかける時間が増えて、本来やるべきことの部分の整理がだいぶ進みました。以前から協会としてやりたかった競技の普及や、代表チームの強化に時間が使えるようになってきました。作業の効率化だけでなく協会自体の継続性・持続可能性にも影響があります。スポーツ情報管理サービスは、スポーツ界全体を支える存在になると思いますね」。
また、スポーツ情報管理サービスの普及は、スポーツ界の永遠の課題である人材問題も解決する、と齋藤氏は語る。「『どのようなシステムを導入していいのかわからない』と困ってる団体の方こそ導入するべきだと思います。スポーツ情報管理サービスは、特定の団体にカスタマイズされたシステムではなく、導入している様々な団体からの意見を整理し、抽出された機能や要素が詰まっています。他団体が実際に直面した課題に対応する知見が入っているため、同じような使い方がイメージしやすいです。また、立ち上げたばかりの団体や、導入したての団体で運用に自信がなくても、同じサービスを利用している他団体と、お互いに教え合って利活用することも可能です。これはSaaSサービスならではですね」。
スポーツ業界は人材不足が慢性的な課題だ。各競技団体などが自己流で運営しているところがほとんどだろう。しかし、スポーツ情報管理サービスは同一のプラットフォームであるからこそ、一度利用したことのある人材であれば他の団体のページもすぐに使いこなすことができる。また、横のつながりを生かして使い方を教え合うことも可能だ。スポーツ情報管理サービスが日本中幅広く普及すれば、スポーツ業界の人材不足問題も大いに解消されるのは想像に難くない。
スポーツ情報管理サービスが、日本のスポーツの新たな”当たり前”を作っていく。
人物紹介

一般社団法人日本フライングディスク協会
管理本部 経営企画・広報担当理事
齋藤勇太(さいとう・ゆうた)
一般社団法人日本フライングディスク協会業務執行理事(管理本部長兼事務局長)。2015年より理事職に就任。フライングディスクの普及や代表チーム強化、国内外大会の運営など、幅広い実務に携わる。