
活用事例3
「スポーツ情報管理サービスの一元管理で、競技に関わる人たちを可視化できる」日本スポーツチア&ダンス連盟寺村氏が見据える、より効果的な競技の普及と競技に打ち込める環境づくり

スポーツ情報管理サービスは、実際にスポーツの現場でどのように利用され、競技団体の課題を解決しているのか。今回は、一般社団法人日本スポーツチア&ダンス連盟の寺村佳奈乃氏にお話を伺った。
日本スポーツチア&ダンス連盟は、2021年からスポーツ情報管理サービスを導入している。2010年に立ち上がった同団体だが、スポーツ情報管理サービスのようなツールを利用したことはこれまでになかった。会員管理や、複雑な大会エントリーの情報を一括で管理するために導入を決定したという。 導入にあたって不安もあったが、説明を複数回受け、解消できたことが大きかったと寺村氏は話す。「このようなサービスは利用したことがなかったので、どう選べばいいかもわからない状態だったのですが、どんな機能があるのか、何ができるのかを丁寧にご説明をいただいたことで、スポーツ情報管理サービスの理念に共感し、最終的に導入を決めました」と振り返る。
競技のより効果的な普及のために、スポーツ情報管理サービスの一元管理が、競技に関わる人々の輪郭を映し出し、理想的な環境を作る

競技団体として重要になってくるのが、“競技をどのように普及させるか”である。競技者だけでなく、どれほどの人たちが競技に関わっているかを明らかにすることで、より効果的に競技を普及していくことができる。しかし、これまで日本スポーツチア&ダンス連盟では会員情報を追いきれていない現状があったという。
「正確な競技人口が把握できていないことの課題がまずひとつありました。加えて、私たちの団体だけでなく他の競技団体さんも大会を開催されるのですが、同じ競技者が複数大会や競技にエントリーしていても、データとして取れていないことなど、チア(チアリーディング、パフォーマンスチア)に関わる人たちがどれくらいいるのかがはっきりとしておらず、効果的な競技の普及や、より良い大会運営のための正確な情報は得られていませんでした。やはり競技を普及させるために、どれくらいの会員がいて、会員のどの層にどのような可能性があるかを情報として持っておいて、必要な時に利用できることはとても重要です」。
しかし、DX化によってそれらは解決した。「それをスポーツ情報管理サービスによって実現できました。大会やチームがなんとなく盛り上がってるな、というような感覚でしかなかったものを、何の大会に何人が参加して、何人が観戦して…と、明確な情報として可視化できるようになりました」。

そして何より、集めた情報やスポーツ情報管理サービスの機能が力を発揮するのが、やはり大会を実施する前後のタイミングだ。競技者は、大会にエントリーする費用やエントリーそのものを、スポーツ情報管理サービスを経由することで簡単に行うことが可能になり、競技団体は、競技者のエントリー情報、申し込み費用を簡単かつ安全に管理できる。登録した会員には、後日メールを一斉送信でき、大会が終わっても競技に関係する人々とつながり続け、また別の大会やイベントを案内することも容易だ。
いわゆる競技を“する人”を中心としながら、それを囲む“ささえる人”や“みる人”がつながっていく。まさに競技団体として理想的な環境が構築され始めている。
「私が選手だったら?」競技者目線を大切に、スポーツ情報管理サービスの新たな活用方法を探る

より良い競技を取り巻く環境を目指すために、寺村氏はこれまで以上にスポーツ情報管理サービスを活用していきたいと語る。何より、寺村氏自身も、チアを競技者として行ってきたが故に、より競技者のためになるスポーツ情報管理サービスの活用方法を探っている。「大会に申し込むとか、 会費を支払うとか、そういう時のためだけではなく、普段から使ってもらえるようにするにはどうしたらいいのかを模索しています」。
ここまで競技者のことを思うのは、思いっきり競技に集中してほしいと願う、競技者としての視点があってこそだ。「私たち競技団体が環境を整備することで選手個人の負担を減らし、より競技に集中できるようにしていきたいと思っています。その為に、他の競技団体での事例を調査したり、連盟のメンバーと課題を出し合ったり、『私が選手だったらどんなツールになってくれると便利かな?』と、考えを巡らせています」と思いを口にする。
日本スポーツチア&ダンス連盟に登録している競技者は約2万4千名だという。身内ばかりの広くはないコミュニティであるからこそ、より競技の普及や価値を高めるために、今こそ競技に関わる人々が繋がることができる環境が必要不可欠である。変化の速い時代に競技団体が成長を続けていくために、マルチなツールであるスポーツ情報管理サービスが実現できる可能性はまだまだたくさんあるだろう。
スポーツ情報管理サービスが、日本のスポーツの新たな“当たり前”を作っていく。
人物紹介

日本スポーツチア&ダンス連盟 事務局
寺村 佳奈乃(てらむら・かなの)
日本スポーツチア&ダンス連盟事務局として活動。一般社団法人日本チアダンス協会を経て2019年より現職。